いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

イエロー・キッドと哀れなパツィー

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「なあリズ、パツィーは死んだのか?」

「そうよ、ひどい死に様だったわ。かわいそうにあの子、死ぬ前の二日間は何も食べられなかったの。感謝祭までもう少しだったのに、ここで飢死にするしかなかったのよ。」

 

 1895年11月24日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載されたものです。貧民街の子供たちの過酷な状況が感じられます。画面の左にイエロー・キッドがいますが、「野犬捕獲人」のときと雰囲気が違いますね。耳がそんなに大きくないし、こっちを見てないし、おとなしく座っているし。

 

 それにしても、イエロー・キッドの後ろのほうに続いている屋内が暗すぎて怖い。服喪中だからでしょうか。画面右側の通りは明るいけれど、リズが手に持つ大きなほうきよりも左側は、冥府への入口という感じがします。