いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットのはじまり

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 1904年9月10日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された、「ウェルシュ・ラビット狂の夢」です。作者はウィンザー・マッケイ

 

 「ウェルシュ・ラビット」とは、エールとチーズを煮てパンにのせて焼いた、チーズトーストのことです。「レアビット(rarebit)」とも呼ばれ、このマンガも、この初回だけ「ウェルシュ・ラビット」ですが、二回目からは「レアビット狂の夢」とタイトルが微妙に変わります。「チーズトーストの悪夢」と訳されることもあり、こっちのほうがわかりやすいかもです。

 

 で、この初回は、北極近くで死ぬ前にタバコを一服やりたい人たちが「おれ紙もってる!」「おれタバコもってる!」「ああ、でも火がない」「おれマッチもってる!」「やったぜ!」ときて、「風で火が消えた(もうマッチない)」となって、最後、夢オチで終わります。

 

 最後のコマでタバコを吸ってる人は、ウェルシュ・ラビットのことを何も話していませんが、たぶんこの人が大変なウェルシュ・ラビット好きで、食べすぎて悪夢を見た、ということなんでしょうね。というか二回目以降の話が基本的にそうで、最後のコマで「寝る前にあんなに食べなきゃよかった」とつぶやいて話が終わるのがこのマンガの定番です。

 

 いつかこのブログでもレアビットを作ってみたいですが...はたして。