いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットと交通渋滞

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 1904年10月26日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された「レアビット狂の夢」です。

 

 ニューヨークのブロードウェイを横断しようとしている老人が、馬車にひかれて体を切断されていくという...。交通渋滞が社会問題として共有されていたんでしょうね。血しぶきはないんだけど、切断面が黒ずんでいるのがちょっとグロいです。

 

 「リトル・ニモ」の場合は、確かにニモにとっては悪夢であることが多いけれど、読者にとっては美しい夢の世界ですので、読者は「素敵なマンガだなあ」と思えるんですが、「レアビット」を見ても同じ感情は出てこないですね。「リトル・ニモ」がカラーで「レアビット」が白黒っていうのも関係あると思います。「レアビット」の印象は「変わったマンガだなあ」ですね。

 

 ところで最後のコマでは、夢を見ていたのがバラバラになった老人ではなく、その奥さんだったことが明かされ、読者はちょっと「はずされた」感をもちます。奥さんは夫にバラバラになってほしいんだろうか。