いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビット1号といたずらフィガロについて

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 ...えー、上の写真は、先週の日曜にわたしの妻が作りました、レアビットです。おいしかったです。

 

 バゲットを切ったものに、チーズ的な何かをぬって、それをトーストしたものですね。チーズ的な何かとは、

 ・チェダーチーズ

 ・エールビール

 ・マスタード

 ・ウスターソース

 ・バター

を適量ずつ混ぜ合わせたものです。

 

 この混ぜ合わせる内容やそれぞれの量などには、もちろん無数のバリエーションがあるでしょう。ビールの代わりに牛乳を入れる、というレシピも見たことがあります。

 

 ちなみに今回使った五つの材料は、すべて味や香りに関係していて、食べてみるとどの材料の成分も感じられました。ただ食べ進めていくうちにビールの香りは薄れていったような気もします。そこはビールを飲んで補うということで。

 

 さて、このブログ「いたずらフィガロ」の名前について。

 

 アメリカの作家スティーヴン・ミルハウザーの小説に「J・フランクリン・ペインの小さな王国」というものがあります(『三つの小さな王国』所収、柴田元幸訳、白水Uブックス、2001年)。

 

 主人公のフランクリンは、20世紀前半の新聞漫画家・アニメーション作家という設定で、ひとりで夜な夜なアニメ原画を何千枚も描いていること、新聞社の上司に仕事を制限されること、奥さんとぎくしゃくしていることなど、どれもこれも「これ、マッケイじゃん」とつぶやいてしまう人物なのです。

 

 「いたずらフィガロ」(Figaro's Follies)というのは、このフランクリンが描いている新聞マンガなのですね。どういう内容かというと、猿のフィガロがコマの枠線を切ったり、コマ枠の上に立ったり、コマ枠に押しつぶされたりするもので、これはもう「レアビット狂の夢」をはじめとする、マッケイお得意のメタ表現マンガを思い出してしまいます。

 

 「レアビット狂の夢」のメタ表現で論文を書いたこともあるわたしとしては、ミルハウザーの「J・フランクリン・ペインの小さな王国」は、もう存在自体が喜ばしい。とても感銘を受けた作品です。なので、ここからブログ名を頂戴した次第です。