いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

イエロー・キッドとゴルフ

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 1896年1月5日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された「イエロー・キッド」です。

 

 イエロー・キッドが...いますね。画面手前を横切る通りに立っています。黄色い寝巻き、耳の大きな顔、こちらに向けられる視線。まぎれもなくイエロー・キッドです。(アパートの玄関から階段を転げ落ちる子供もイエロー・キッドのように見えますが。)

 

 昨日のブログの「ケイシー通り」(1895年12月22日)で見られた暴力性が、このマンガにも入り込んでいるように思います。ゴルフクラブが武器として使われてますからね。顔をしかめる者が何人もいます。

 

 イエロー・キッドは何を指差しているんでしょうね。犬かな。イエロー・キッドがクラブでボールを打って、転がるボールを犬が追いかけているように見えます。

 

 アパートには張り紙がしてあります。「マーフィー酒場」とか「借家:防犯設備あり」とか書いていて、ホーガン横丁の雰囲気を伝えています。「防犯(burglarproof)」といっても、まさかオートロックとか警備会社への通報装置とかがあるわけもなく、何のことを言っているのか。近隣の子供たちが見張っているぞ、ということなんでしょうかね。