いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとトナカイ

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 1905年12月24日『ニューヨーク・ヘラルド』の「リトル・ニモ」です。いまから110年前のクリスマス・イヴですね。

 

 サンタクロースを待つ間の、子供の胸のドキドキは、しばしば絵本に描かれているように思います。サンタは夜中にこっそりやってくるもので、子供のドキドキ感が強調され、静かで平和な夜なんだけど物語的に緊迫する、というところが個人的に好きです。

 

 ニモもなかなか寝付けずにいます。するとジングルベルが聞こえてきて、屋上に出るとサンタとトナカイがこちらに向かってきます。途中の、階段を上っていくニモの姿がかわいいですね。手前の手すりで見づらいんだけど、ニモは手すりと階段に手をつきながら、がんばって上っています。

 

 中盤からは、いつものドタバタです。上のマンガは、大まかに捉えれば6列の帯からなっていると言えますが、その4列目と5列目はどちらも、トナカイを制御しようとするニモを左の小さなコマで、ニモを連れて暴走するトナカイを右の横長のコマで表現しています。ニモがぐっと引っぱるけれどトナカイがどわーっと走っていく感じがありますね。

 

 それにしても、屋根につもる雪やトナカイの白い息に、この世界の寒さがよく現われていますね。このブログを書いているいま、部屋の外は雨で気温も低くとても寒いのですが、このマンガを見ていてさらに寒くなりました。