いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットとつららのサンタ

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 1904年12月20日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 やはりクリスマスが主題ですが、のっけから「もうこの仕事疲れたよ...」です。サンタクロースが子供の前で絶対言っちゃダメなセリフですね。「リトル・ニモ」は大人も子供も楽しめるマンガですが、「レアビット」はたぶん大人しか楽しめないのではないでしょうか。

 

 サンタが屋根の縁につかまって助けを求めますが誰も来ず、そのうちサンタの体を垂れ流れる水が凍って、サンタがつららになります。落下の瞬間を描いた一番右のコマ、よく見ると、太陽の光があります。氷が解けてしまったわけですね。

 

 夢オチ直前のコマでは、落ちてきたサンタに対し少年が何か言いたそうですが、空のふきだしがあるだけです。これは、もともと何かセリフがあるはずだったんでしょうか。それとも絶句を意味しているのか。

 

 ちなみにこの回から、「Dream of the Rarebit Fiend」のタイトルが活字から絵に変わりました。にやける悪魔と冴えないおっさんの横顔があります。マッケイはなんでこの絵にしたんだろう...。