いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとライオン

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 1906年1月28日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 よくもまあこんなにライオン描けますよね。タイトルのコマに1頭、1〜9番のコマに各1頭、10番に8頭、11番に19頭、12番に11頭(不確かですが)、合計48頭います。一ページにライオン48頭描いてるマンガはそうないでしょう。見世物小屋によく出入りしていたマッケイならではですね。もっとも、よく出入りしてれば誰でも上手にライオンが描ける、というものでもないですが。

 

 ニモはライオンのいびきがうるさくて眠れない、という夢をみています。眠れない夢って、目が覚めたときに寝た気がしなくて疲れるんじゃないかな。それと、最後の猫がかわいいですね。大きなライオンばかり見てきたから余計にかわいく思えます。ニモはこの後たぶん、猫といっしょに二度寝するんじゃないですかね。

 

 タイトルのコマと、最後のほうのコマに登場する長いひげの男が気になります。ライオンの大群を前に恐怖するニモを、勇敢にも助けにきたんですね。造形的にもなかなかキャラが立ちそうな感じですが、特に名前はありませんし、次回以降のエピソードに出てくる様子もありません。ニモの手を引いて「はやく眠りの国に行かないと」と言ってるので、彼が先導してくれるのかと思いきや、彼の出番はここで終わりです。

 

 ところで、コマの下に書かれている説明文が、これまでの「リトル・ニモ」では二行だったのですが、今回から一行です。説明文はいずれなくなりますが、その前の若干の縮小がここに見られたわけですね。