いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとブランコおじさん

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 1906年2月4日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 タイトルのコマで、眠りの国の人たちが「ニモをこわがらせて眠りの国につれてこよう」と言ってるんですが、続く下のコマでは、ニモが眠りの国に誘われる描写がまったく出てきません。このマンガは、眠りの国とは関係ない夢の物語です。

 

 では何の夢かというと、ニモのおじさんの夢ですね。おじさんは日課の体操をするためニモの部屋を通りますが、そこでニモも同行します。おじさんはガウンのなかにすでに体操服を着ていて、準備万端です。

 

 ニモは「おじさんこんなことやってたんだ」とか「まさか家のなかに体育館があるなんて知らなかったな」とか、驚きの連続です。ニモは子供なので、おじさんが鉄アレイを持ち上げてるときに「おじさんどうして結婚しないの」と超余計なお世話な質問をしますが、それはたぶん、ニモにとっておじさんが魅力的に見えたからなのではないかと思います(おじさんには「バカなことを聞くな」と言われてしまいますが)。

 

 状況はいかにも夢らしく、空中ブランコ中に背景が突然変化します。家の体育館だと思っていたらサーカスのテントになり、さらに夜の屋外に切り替わります。そして案の定というか、ブランコの縄が切れてニモとおじさんが落下し始めます。

 

 そういえば今ふと思ったのですが、マッケイが描く月はいつも満月のような気がする。調べたわけではないのでただの思いつきですが、半月や三日月をあまり見たことがないような...。