いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとジョージィ

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 1906年2月18日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 ブログタイトルの「ジョージィ」は(当たり前ですがいがらしゆみこ作品のことではなく)ジョージ・ワシントンのことです。ニモといっしょにいるのは、後に初代大統領となるワシントンですね。

 

 ワシントンは誕生日が2月22日だそうで、このマンガの掲載日に近いわけですが、これをマンガのネタにするということは、ワシントンの誕生日を国民で祝う雰囲気が少しでもあったんだなあと思って驚きました。日本国民の何%が伊藤博文の誕生日を知っているのだろう。わたしは知らない。

 

 ワシントン少年がニモに「はしごない?」と聞くので、ニモははしごの在処を教え、はしごが短いとなると斧を持ってきて木を切ります。木には、砂糖漬けのチェリーが実っていて、それが目当てですね。どうでもいいけど candied(砂糖漬けの)っていう形容詞があるんですね。

 

 木を切り倒すと、ジョージィのお父さんが「だれがやったんだ!」怒ってやってきます。そこでジョージィはあっさり「ニモがやった」と答え、ニモをかばうことなく保身に走ります。実際、そういう人だったんだろうか。

 

 背景の色はコマごとに変わりますが、とくに気にならないし、むしろ色とりどりで見栄えがあります。ジョージィの上着やベストはきれいな青ですが、砂糖漬けのチェリーの木を切り倒すあたりだけ青がくすんでいるのはなぜなんでしょうね。