いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとリトル・ボンボン

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 あけましておめでとうございます。本年がみなさまの素敵な一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

 今年最初のマンガは、1906年2月25日の『ニューヨーク・ヘラルド』に掲載された「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 ニモを眠りの国におびき寄せるため、これまでさまざまなやり方が試されてきました。この日は、キャンディ・キッドことリトル・ボンボンがニモを導く役目を引き受けます。リトル・ボンボンはキャンディなので、ニモはあっさりベッドから飛び出して、ボンボンの後をついていきます。

 

 ただ、ボンボンに引き寄せられるのはニモだけでなく、パイ食い巨人(Giant Pie Eaters)や森の妖精(Wood Nymphs)も、おいしそうなボンボンの前に現われます。

 

 護衛の助けもあって、ニモとボンボンはパイ食い巨人たちからなんとか逃れますが、ニモは森の妖精にはつかまってしまいます。つかまるというか、ニモは(以前のエピソードにもありましたが)かわいい女の子には目がないというか、むしろすすんでつかまってしまうのですね。ニンフたちに「きゃあかわいい」「キスしてよ」と言われて、つい足を止めてしまいます。

 

 気がつけばボンボンはだいぶ先を行っていて(薄情なボンボンですがつねに身の危険を感じているのであれば当然か)、結局ニモは、眠りの国に入るゲートから締め出されてしまいます。ボンボンはゲートの内側で「急げっつったのに」とぼやき、護衛も「立ち止まらなけりゃよかったのに」と愚痴をこぼし、ニモは階段にすわってしょんぼりしています。自分がオンナ好きなせいでこんなことに...。

 

 ニモは、眠りの国に入るためには、一週間待たなければなりません。ゲートには「次の日曜日に開きます(will be open again next Sunday)」と書かれています。次の日曜日(掲載日)に開いてるといいですが、はたして!?