いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットと恐竜の化石

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 1905年3月4日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 競馬です。ですが馬じゃないものが一頭まじっていますね。

 

 ジョッキーが恐竜の化石を組み立ててレースに出ようというところです。競馬場の支配人でしょうか、自信満々のジョッキーに対して「気が狂ったのか」と言ってますが、ジョッキーは「そうかもしれませんね、でもまあ見ててくださいよ」「ワイヤーで全部つないで、中に発動機を入れました」と答えています。気が狂ったんですね。

 

 どう見てもルール違反ですが、みんなこの恐竜に興味があるのか、それとも「危ない人には関わりたくない」と、恐竜の出走をだれもやめさせようとしなかったためか、レース開始となります。で、障害を越えられずバラバラになります。何がしたかったんだ。

 

 恐竜の標本は、化石を組み立てて作った巨大なものが博物館などで展示されていますが、こういう骨格標本をはじめて展示したのがフィラデルフィアの自然科学アカデミーでした(1868年)。人々は恐竜の標本を見にこぞって押し寄せ、以降、他の博物館もこれをまねていったわけです。

 

 マッケイの恐竜といえば、1914年のアニメ「恐竜ガーティ(Gertie the Dinosaur)」が有名です(gertie the dinosaur - Google 検索)が、このアニメ映画の冒頭でも、マッケイは仲間たちとともにニューヨークの自然史博物館に入り、そこで恐竜の標本を見ています。

 

 恐竜というアイデア自体は、上のマンガが描かれた1905年にはすでにマッケイの中にあったわけですが、それから9年後に恐竜アニメを作ることになると、マッケイはこのとき思っていたんでしょうかね。マッケイがいつ頃からアニメのことを真剣に考え出したのかは、興味のあるところです。