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いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモと歓迎の花火

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 1906年5月6日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 カラフルなマンガですね。夢オチ直前のコマの、花火の光もさまざまな色を見せていますが、それだけでなく、花火の光に照らされてなのか、建物の壁面も、コマごとに茶色や緑に変わっています。

 

 ニモたちはいま、コンドルに乗って宮殿へ向かっているところでした。前回の話によれば宮殿まで5000マイルもの距離があるということでしたので、もしかしたらあと何話か、宮殿までの道中についての話が語られるのかなと、私は予想していました。

 

 ところがこのマンガの、タイトルのコマで、家来が王様に対し「ニモを歓迎する人々の熱狂ぶりがすごすぎて、ニモが着陸できません(I regret to report that Nemo decended to the surface in a graceful circle but on account of the extreme enthusiasm of the reception committee he was unable to land)」と電話に向かってしゃべっています。もう着いたのか! 意外と早かった。ただ、着陸できないんですね。

 

 タイトルのコマでは、「Little Nemo in Slumberland」と書かれた板に楕円の穴があいていて、家来を取り囲んでいます。部屋の中でこんな囲いがあったのではじゃまですから、この赤い板は、例えばコマの枠線と同じように、物語世界の内部には属していないんでしょう。

 

 しかし、家来の右足の接地面にわずかに影が描かれているところを見ると、あれひょっとしてこの板は物語世界の内部で物理的な存在としてあるものなのか、そういえば窓の外から入ってきた火の玉は、赤い板の穴をくぐってこちらまで来ているしな...とも思えてきます。

 

 そりゃマンガだからな!(投げやり)

 

 着陸できないのはニモたちだけではありませんでした。②のコマで、フリップとガチョウたちが塔の上にしがみついています。彼らはニモたちより一足早くここまで来ていたわけですが、すでに花火が上がっていたんでしょうね。必死のガチョウたちがかわいいです。