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いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

イエロー・キッドのはじめてのコミック・ストリップ

イエロー・キッド

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 1896年10月25日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。

 

 前回ご紹介した「イエロー・キッド」(イエロー・キッドとマクファデン通りのパレード - いたずらフィガロ)もじつは1896年10月25日のものです。前回のマンガは『ジャーナル』の日曜別冊付録『アメリカン・ユーモリスト』の表紙(1ページ)に掲載されたもので、一方、上のマンガは最終面(8ページ)の上半分に掲載されました。なのでこちらは、いわばおまけですね。

 

 おまけだからなのか、いつもの「イエロー・キッド」とはちがって、イエロー・キッドの小話が描かれています。一枚絵ではなく、コマが複数あるタイプははじめてですね。ブログタイトルの「コミック・ストリップ(comic strip)」というのは、「コマが複数あるタイプのマンガ」という意味で使われている言葉です。

 

 マンガのタイトルは「イエロー・キッドと新しい蓄音機」。蓄音機からふきだしが出ていて、いろいろしゃべっています。たとえば2コマ目はこうです、「ジャーナルの日曜カラー付録がいちばんすごいのはなぜかって? そんなの簡単だよ、色はまるで虹みたいだし、夢のように美しいし、すごく大笑いできるし、それにいつもステキなものがあるからさ」。

 

 続けて3コマ目では、「イエロー・キッドもそのひとつだよ、チミー・ファデンと歌やダンスをするより楽しいね」と言ってます。イエロー・キッドがとなりでお礼を述べていますね。

 

 最後のコマでは、いつもは寝巻きで話をするイエロー・キッドも、ふきだしを使っています。「ああ苦しかった」と言ってオウムが箱から出てくると、イエロー・キッドは「この蓄音機はすごい発明だなあ...っておい!」と、驚きの言葉を口から発しています。

 

 ふきだしと複数のコマを使っているというのは、現代のわたしたちがよく知ってるタイプのマンガで、「いつもの一枚絵もマンガかもしれないけど、この「イエロー・キッド」ははっきりとマンガだ!」と思えます。このブログでもたびたび参照しているビル・ブラックビアードによれば、この「イエロー・キッド」こそ、史上初の「はっきりマンガだと言える作例」だということです。

 

  どれがマンガでどれがマンガでないか、という問題ははっきり言ってめんどくさいですが(笑)、それでもひとつの目印として、上のマンガが掲載された1896年10月25日は、マンガの歴史において重要な日かもしれません。