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いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットと賃上げ要求

レアビット狂の夢

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 1905年4月26日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 「よし! 支配人に強く言ってやるぞ。図々しくいけばいいんだ(If I could feel big and nervey now)」と、総支配人のオフィス前で意気込んでいる男性がいます。一戦交える前に自ら気合いを入れているところのようです。

 

 2コマ目で、この男性は実際にビッグになって、足下にいる小さな男性に声をかけています。「ねえボス、昇給のことで話があるんですよ」と言ってますので、賃上げの要求を上司にしているんですね。

 

 じつはマッケイも1904年、『ヘラルド』の上司宛てに賃上げ要求の手紙を送っており、「週にあと15ドルは払えるはずですよ」「仕事量が多すぎるんだから、せめてもっと給料あげてください」などと書いてあります。まさかマッケイもこの手紙を書いたとき、これが一世紀以上あとの日本人にネタにされるとは夢にも思わなかったでしょう(笑)。

 

 3コマ目では、マッケイとおなじようにこの男も「週に少なくともあと10(ドル)分は働いてますよ」と言っています。男の姿はすこし小さくなり、反対に上司はすこし大きくなりました。

 

 上司は4コマ目でこちらを向き、5コマ目でそこはかとない威厳を感じさせています。賃上げを訴えつづける部下ですが、体はどんどん小さくなり、要求額が5ドルに減っていますね。

 

 上司は「なあヘンリー、何度も言ってるが、ダメなものはダメだ!」と、ついに6コマ目で部下のヘンリーを見下ろしています。「これ以上困らせるんなら、君からもっとむしり取ってもいいんだぞ。さっさと仕事に戻れ」「聞いてるのか? まさかまだ賃上げを要求するんじゃないだろうな」と言う頃には(8コマ目)、ヘンリーの体はすっかりちぢこまって、小人になってしまいました。

 

 ちなみに、マッケイの要求は聞き届けられ、給料が上がったそうです。