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いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

イエロー・キッドとそり遊び

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 1896年12月6日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。

 

 『ジャーナル』紙の日曜付録「アメリカン・ユーモリスト」の表紙には、いつものアーチー・ガンによる美しい女性が描かれています。スケート靴をはいていますね。背景には、建物の屋根に雪がつもっています。ガン・ガールのこの格好は、寒くないんでしょうか。

 

 画面左下にはイエロー・キッドがいて、そりに乗っています。寝巻きには「ボクは冬が好きなんだ、ボクってアツすぎるからさ、からだが冷めないんだよね」とあります。寒い冬がちょうどいいということですね。ではきっと真ん中のガン・ガールも同じなのかもしれません。

 

 イエロー・キッドはいつのまにか雪玉をつくっていて、それを画面右下のカラスに投げつけています。カラスに玉を当てるのはなかなか難しいと思いますが、このカラスはたしか、ガン・ガールのことが好きなんですよね(参照:イエロー・キッドと乙女とカラス - いたずらフィガロ)。以前もイエロー・キッドにじゃまされてましたが、今回もですね。というかそういう役回りとしてカラスは登場してますよね、かわいそうに。

 

 ガン・ガールの周囲には円が四つあり、それぞれに絵が描かれています。左上には、部屋のなかのガン・ガールと(え、これ普段着なの?)、窓の外のイエロー・キッドが話をしているようです。「ねえ、そり遊びしたいよ!」とキャプションがあるので、イエロー・キッドがガン・ガールに呼びかけているようです。ガン・ガールの足下に落ちてるのはきっとスケート用の刃ですね。あ、じゃあ、自分も外で遊ぼうと思って、正装に着替えて、これからまさに出かけるというときにイエロー・キッドが来たということかな。

 

 右上の円は、これからスケートしようとするガン・ガールの絵ですね。すでに向こうでスケート中の人たちが見えるし、キャプションもシンプルに、アイススケートを示す「カッティング・アイス」という言葉が書かれています。不穏なのはガン・ガールの足下の立て札に「危険」とあること、および氷に裂け目が走っていることですね。

 

 さて、もうふたつの円の絵が謎で、おじさんが描かれています。左下のおじさんは、石炭の袋とバケツを持っていて、バケツからは湯気がのぼっています。お湯かな。イエロー・キッドたちとの関係はまったくわかりません。

 

 右下のおじさんは、だいぶあったかそうな格好をしていて、むしろすごく暑そうです。この季節にうちわなんかどこで手に入れたのか。キャプションは、頭上に「寒の入り(The entrance of winter)」と、またうちわの下には「冬用の厚着をしてくるとぜったい暑くなる」と書かれています。マーフィーの法則ですね。

 

 いよいよ12月ということで、冬に見られるあれこれの景色が断片的に描かれているというわけです。新聞マンガでは時事ネタ・時候ネタが鉄板です。

 

 ...あの、揚げ足取りをするわけではないんですが、上空に星と月が見えていて、イエロー・キッドの周囲では雪が舞っている(というか吹雪いていると言ってもいい)のはどういうわけか。あとやっぱりその格好は寒くないんですか。