いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとカラフルな崖のうえのライオン

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 1907年10月20日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 海軍の追跡をなんとかかわして、三人は崖のうえまでやってきました。崖の下は川ですので、川の水の侵食によってできた河岸段丘でしょうか。切り立った岩肌は赤い色ですが、てっぺんは黄色です。ただ、それは1コマ目だけで、以後のコマでは崖の色が緑や青に変化しています。

 

 「ふう! やっとてっぺんについたぜ」「つかれたなあ」と話すフリップとニモは、ようやく一息つけるなと思っていることでしょう。しかしインプが指をさす向こうには、ニモたちを見つめるライオンが三匹います。一難去ってまた一難ですね。

 

 「はっ、うそだろ?」「なっ...えええ」と、フリップとニモもライオンに気づきます。と同時にライオンたちはニモのほうへ走ってきました。絶体絶命...かと思いきや、インプがライオンたちのところに近寄り、なにかしゃべっています。

 

 ニモはちょうど、崖から飛び下りようとしていたところでしたが、フリップが「飛ぶなニモ、あいつなにかやってるぞ」と、ニモにとどまるよう話します。ニモも「かれ、怖がってないね」と、インプの予想外の行動に驚いています。

 

 インプは、駆け回るライオンたちをなだめ、4コマ目では見事、手なずけることに成功しています。「あいつ、ライオンの言葉を話してるぞ」「ジャングルで覚えたんだろうね」と、フリップもニモも感服してますね。インプが尊敬されるのははじめてじゃないだろうか。

 

 それから三人は、ライオンの背中にまたがります。どうやらインプが、ニモとフリップに、ライオンに乗るよう指図しているようです。「おれたちにこうやってもらいたいみたいだぞ、ニモ」「ライオンはなにか言われたんだね」。

 

 危機が去って安心したのか、三人の表情もおだやかになりました。6コマ目ではフリップが「どこに行くのかわかんねえけど、まあどこでもいいや」と、ライオンたちが走るにまかせています。「インプは知ってるみたいだよ」と、ニモもおちついていますね。

 

 このまま三人は、7コマ目で洞窟に入っていきます。崖のうえに洞窟があるということは、やはりこのあたりは河岸段丘なのでしょうか(しつこい)。次回は洞窟探検です。