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いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットと服をぬいだサル

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 1905年12月6日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 「おっと、これはまた馬鹿げたことが書いてあるな。われわれがかつてはサルだったって? そんなわけないだろう!」

 

 身なりのよい年老いた男性が、ソファーにふんぞり返って本を読んでいます。セリフから察するにダーウィンの進化論でしょう。この男性は進化論に反対のようです。2コマ目でも「ダーウィン? だれだよ! むかしはサルだったとか、そんなこと考えているなんて、ダーウィンは半分サルにちがいないな」と言っています。

 

 しかしかれはこの2コマ目ですでに、足がサルになりかけていて、かれもすぐにそれに気がつきました。「な、えええ!」

 

 ...あとはまあ、とくに説明しなくてもいいんじゃないでしょうか(笑)。かれはだんだんとサルになってパニックに陥り、妻にも正体をわかってもらえず、むしろ警官を呼ばれてボコボコにされます。衣服もなぜか脱げていて、もともと人間だったことがますますわからなくなっています。

 

 セリフはこんな感じです...

 

「なんだって! うそだろ?」「おい、おまえちょっときてくれ! 様子がおかしいんだ!」「なんということだ...たしかにわたしだ...おい! サラ!」「医者を呼んできてくれ、はやく!」「サラ! わたしなんだ! 逃げないでくれ!」

 

 妻のサラは、目の前に急にサルが出てきたものだから、驚いて「け、警察を!」と助けを呼びますが、9コマ目ではこのサルが自分の夫であることに気づいたようです。「ああ! おまわりさん! 撃たないでください! わたしの夫なんです! どうか殺さないで!」と顔をおおって叫んでいますので。

 

 19世紀後半以降、ダーウィンの進化論はさまざまなかたちで漫画の主題となっていて(https://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Darwin#/media/File:Editorial_cartoon_depicting_Charles_Darwin_as_an_ape_(1871).jpg とか、https://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Darwin#/media/File:Man_is_But_a_Worm.jpg とか)、「進化論の漫画」というテーマで本が一冊書けるレベルだと思います。もしかしたらすでに類書があるのではないか。探してませんが。

 

 ところで最後のコマには、いつもの「サイラス」のサインの下に、「原案:ハロルド・シルバーバーグ(suggested by Harold Silverburg)」とあります。サイラス以外の名前が書かれるのは珍しいですね。アイデアを投書してくれた新聞読者かもしれません。