リトル・ニモとあわてんぼうのサンタクロース
ひさびさの投稿です。前回の投稿から一年以上たつのか...。
話の内容をよく覚えていないのですが、たしかニモ(かわいい男の子)と、フリップ(葉巻すってる悪ガキ)と、インプ(褐色のジャングル少年)の三人が、モルフェウス王やプリンセスに会おうとさまよってるのでした。
上のマンガは1907年12月15日『ニューヨーク・ヘラルド』に掲載された、「眠りの国のリトル・ニモ」です。三人が丸々と太っているのは、少しまえ、かれらが空腹をこらえきれずに題字の「Little Nemo in Slumberland」を食べたからですね(リトル・ニモと食べられるタイトル - いたずらフィガロ)。
一コマ目の左上、クリスマスのリースが飾られています。12月15日ですからね。ただコマの右端の、緞帳のようなカーテンには「クリスマスパーティー延期! モルフェウス王の命によりリトル・ニモ捜索中のため不在」と書かれた貼紙が。
三人は次のコマで、カーテンの奥に入ります。すると天蓋付きのベッドがあり、ヘッドボードに「ドクターピル」の文字が刻まれています。あの爺のだったか...。
ニモはクリスマスのことが気になってしかたないようですが、フリップは「クリスマスのことなんか気にすんなよ! それよりこのベッドめちゃめちゃにしてやろうぜ!」と言って、ベッドのうえで暴れようとしています。それに対してニモは「ドクターピルが来たら怒られちゃうよ! クリスマスがないなんて残念だなあ」とか言いつつ、ベッドに上がりました。
四コマ目はまるで、ベッドのうえで弾むボールのようですね。そんななか、ニモが「ねえフリップ、だれか来るよ!」と、物音に気づきました。ドクターピルでしょうか。
と同時に、カーテンの向こうからふきだしがあらわれて、こう言っています、「え、ニモがいない? クリスマスもやらないだと? こいつは困った! ニモはどこにいるんだ?」。
そうして、五コマ目でサンタクロースが登場するのでした。カーテンが緞帳みたいなので、サンタはまるで下手から出てくる演者のようですね。「ニモを見つければクリスマスをやれるんだな!」と、車で上手まで駆け抜けていきます。「ぼくはここだよ!」とニモが叫びますが、まったく聞こえておらず、あわてんぼうのサンタクロースです。
というわけで、ニモは無事にクリスマスを迎えられるのか。読者のこどもたちは、近づくクリスマスにわくわくしながら、この物語の緊張にどきどきしていたのかもしれません。