いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビット7号と「リトル・ニモ」邦訳書について

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 日曜日に食べた、レアビット7号です。

 

 今回は食パンでつくりました。それと、6号紹介のときに言いましたが、リー・ペリン社のウスターソースを使いました。

 

 いやあ、リー・ペリン社のウスターソース、これまでのものと味がちがいますね。かなりスパイシーで、なめると口のなかがだいぶぴりぴりします。それに、さっぱりしているというか、なじみのある味とくらべて酸味がやや強く甘みがやや弱いように感じました。

 

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 ソースだけで味比べをしてみました。上がリー・ペリンで、下はカゴメです。見た目はほとんどかわらないですが、なめると味のちがいはわかります。

 

 で、このぴりぴりソースが、レアビットになるとまったくぴりぴりしなくなります(笑)。さらにもともとの甘みも比較的弱いので、これまでのレアビットとくらべて、ウスターソース味があまり前面に出てこない。チーズやマスタードなどのさまざまな味を、隠し味的なウスターソースがまとめあげるといった印象を受けました。

 

 今回の材料は、

ウスターソース(リー・ペリン社)

・マスタード

・チェダーチーズ

・エールビール

・バター

・卵(妻の即興)

 

でした。おいしかったです。

 

 さて、食べたレアビットを紹介するときはいつも、別のネタを添えていますが、今回はあまりネタが思いつかなかったので、とりあえず「リトル・ニモ」の邦訳書の紹介をしようと思います。

 

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 左から順に、

・『眠りの国のリトル・ニモ』(『[原寸版]初期アメリカ新聞コミック傑作選 1903-1944』)柴田元幸監訳、上田麻由子訳、創元社、2013年。

・『リトル・ニモ 1905-1914』小野耕世訳、小学館集英社プロダクション、2014年。

・『リトル・ニモの大冒険』和田侑子訳、パイ インターナショナル、2014年。

 

です。大きさの比較として右上に『よつばと!』13巻を置いてあります。「リトル・ニモ」でかいなー。パイインターナショナルのものも大きいですが、原寸版とくらべるとずっとハンディです。表紙もソフトカバーでやわらかいですし。原寸版と小プロはハードカバーです。

 

 創元社の原寸版のものは、やっぱり大きさの迫力がいちばんの売りではないでしょうか。新聞サイズなので、基本的に本を床やテーブルに置いてページをめくるという読書スタイルになります。単行本や雑誌のページとちがって、ページ全体を一望することが難しく、またページをめくるのもすこししんどいので、コマのひとつひとつ、絵のひとつひとつに注視してしまうように思います。大きいので細かいところまでよく見えますしね。100年前の読者の読み方を追体験している気になれます。

 

 小プロ版は、1976年に『夢の国のリトル・ニモ』(PARCO出版)を出した小野耕世さんがふたたび「リトル・ニモ」を訳したもので、掲載されているエピソード数がいちばん多いのが特長です。原寸版のエピソード数が119話(数え漏れがなければ)なのに対し、小プロ版は421話あり、1914年7月26日掲載までの分をすべて収録しています。また、序文がアート・スピーゲルマンによるマンガというのも、世界中のマンガ家と親交のある小野さんならではです。

 

 パイ版は、前述したようにハンディなサイズであり、またソフトカバーなのでページをめくりやすいということで、新聞サイズの原寸版や図鑑のような小プロ版とはまたちがった、本としての魅力があります。エピソード掲載数は255話で、小プロ版よりは少ないですが、原寸版にも小プロ版にも載っていない、1924〜26年の「リトル・ニモ」が掲載されています。価格が比較的安価な、3200円(税別)というのもアピールポイントです。

 

 みんなちがってみんないい、ということになりますね(笑)。この調子で、ほかの海外マンガもどんどん翻訳してもらえるといいなあと思います。