いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモと新年の抱負

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 1907年12月29日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 えー、またしても前回の更新からだいぶ日にちがたってしまい、「リトル・ニモ」のこれまでの話を忘れてしまってますが、要は、ニモとフリップとジャングル・インプの三人が宮殿内で迷子になっていて、モルフェウス王やプリンセスを探しているところですね。

 

 「リトル・ニモ」は週一回の新聞連載で、「レアビット」ほどではないですがそれなりの頻度で掲載されているため、「レアビット」のように年中行事ネタがよくあります。この日は年末ですので(以前にもありましたが)大きな鎌をもった時の神が登場しています。

 

 時の神は右手に赤子を抱えています。2コマ目で「1908」と書かれた帯が見えるので、かれは新年を連れてきたわけです。ニモたちは「なんかベルが鳴ってるな」としゃべっていて、近づいてくる音には気づいているのですが、疾走してくる時の神に対処するのは難しく、床を転がります。

 

 ニモたちは「時の神が新年を連れてきた!」「07を08に置き換えるところ見たい!」みたいな感じで、迷子であることも忘れ、時の神を追いかけます。すると向こうから老いぼれの1907年がやってきて、ニモたちはまた床を転がります。

 

 何事もなかったかのように杖をとり、退場していく1907年を、憐れみの眼差しで見送るニモたち。「ぶつかってしまうのも仕方ないよ、目が見えないんだから」「かわいそうなじいさんだ、あれだって昔はかわいい赤ちゃんだったんだぜ」。

 

 

 その後、巨大な本を持ってきた宮殿の家来がニモたちと衝突し、ニモたちはまたまた床を転がります。本の表紙には「1908年の抱負」と書かれています。本のなかには「1907」という見出しのページがあるので、これまでの何十年分かの決意とか決心とかが書かれているんでしょう。

 

 だれの本なのか。巨大だから、モルフェウス王のものでしょうか。これまで書かれた抱負をまとめてあるなんて、すごいというかツラいというか...。もしかしたら私も、昭和から平成になったときになにか抱負を書かされたのかもしれませんが、まったく覚えてないですね。令和になったときもなにも抱負を考えなかったな...。