いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットとくちばしおねえちゃん

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 1906年1月30日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 若い男女がいちゃいちゃしています。男がもう帰る時間で、別れのキスをしているところです。男は、もしかしたらまだ帰りたくないのかもしれませんが、「君のパパが来るから」と、女性の父親を気にしているようです。

 

 それでも別れがたいふたりは長々と(しゃべりながら)キスをつづけ、口がどんどん伸びて、くちばしのようになってしまいます。もしやと思って英語で「くちばし bill」の単語を調べてみたら、案の定、bill and coo で「くちばしを触れあわせてクークー鳴く=恋人同士がいちゃつく」という意味があるそうです。

 

 6コマ目と8コマ目の右端にある「離れるんだ!」というふきだしは、9コマ目に現れるパパのものですね。娘が彼氏といちゃつくのをやめない現場には居合わせたくないなあ...そういうときはママにまかせてパパはどこかに出かけてきます、はい。

 

 9コマ目の女性は、自分の口がくちばしになっていることに気づいておらず(恋は盲目ということ?)、パパはぎょっとしていますが、この夢を見ていたのがそのパパでもなく、女性の妹だったというのはおもしろいですね。

 

「おねえちゃんのひどい夢を見たのよ、もう眠れないわ!」「大丈夫よ、目を閉じて。あんなに食べすぎないことね」と会話していますが、その夢の内容を聞かされたら、おえねちゃんももう眠れないのではないでしょうか。