いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモと回転の間

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 1908年3月1日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 繊細な印刷ですね。黒い輪郭線のニモたちが、青い輪郭線の背景の上に浮いています。「幻惑の間」のふしぎな様子がみごとに描かれています。

 

 左に90° 傾いた空間に来てしまったニモたちは、このままでは元に戻れないと思ったのか、来た道をひきかえします。それが1コマ目で、フリップを先頭に、ニモたちは画面手前にやって来ます。

 

 すると空間がさらに左に傾き、ニモたちは左側にすべり落ちてしまいます。さらに空間は回転をつづけ、1〜5コマ目でちょうど180° まわりました。

 

 フリップはこれまで、なんとか自力で出口を見つけ出そうとしていたのですが、この回転にはさすがにまいったのか「次にだれかを見かけたら王様を呼んでもらって、行儀よくします!」と弱音を吐きます。ニモは「はじめてまともなこと言ったな...」と感心(?)しています。

 

 空間はあと90° まわって、7コマ目でようやく正常の位置になりました。ニモはこれで3週連続、ベッドから落ちて目覚めています。