いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットと掛け布団

f:id:miurak38:20200512155627p:plain

 1906年2月20日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 女性が「足が寒い...」と言って、眠れないでいます。冷え性でしょうか。彼女は足に掛け布団がかかっていないと思ったのか、足のほうを重点的に布団で覆おうと、体を起こします。

 

 それでまた横になると、こんどは肩が布団から出てしまいます。「肩が冷たいわ...布団、ちゃんとまっすぐになってるのかしら」。この気持ちすごくわかる。

 

 どうでもいいですが私はこどものころ、寝ているときもつねに布団がまっすぐになっていないと落ちつかず、何度も夜中に起きてベッドメイキングをしていたことがあります。寝返りをくりかえしているうちにどうしても布団がずれるのですが、それが我慢できなかったんですね。神経症だったんだろうか。

 

 肩が出てしまった彼女は、当然のことながら布団を上に持ってくるんですが、そうすると今度は足が出る。また体を起こして足に布団をかけ、横になると、今度は肩だけでなくお腹のあたりまで布団から出てしまっている。

 

 つまり掛け布団がどんどん小さくなってしまっています。彼女が体を起こしたとき、それにあわせて布団が足元のほうに寄ってしまうわけですが、そのタイミングで布団が縮んでいます。絶妙ですね。

 

 掛け布団は、最終的にハンカチほどの大きさまで縮みます。「眠れない! 凍えそうよ! どうしたらいいの?」

 

 この夢の場所は、目覚めたときの場所とまったく同じベッドですので、まるで彼女が眠れずにベッドのなかで幻覚を見ている様子を描いているとも言えます。このつづきが読みたいです。