いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモと3Dダンジョン

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 1908年3月8日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 ウィザードリィの3Dダンジョンみたいなところにやってきました。ニモたちは、もう少しでこの「幻惑の間」を出られそうだと期待しながら、通路を歩いています。

 

 2コマ目で、壁の穴から突風が吹き込み、ニモたちの帽子が飛ばされます。フリップにいたっては(育毛剤のために生えていた)あごひげまでなくなってしまいました。いつもの格好に戻りつつあるので、やっぱり「幻惑の間」を出られるかもしれないという期待を、読者も持つことができます。

 

 ところがそう一筋縄ではいかず、ニモたちはこのあとも、通路に吹き込んでくる突風に困惑します。4コマ目では床からの、6コマ目では天井からの風のために、ニモたちの体が翻弄されます。

 

 突風の次は、板がニモたちを襲います。8コマ目で壁の板がバラバラとはがれてニモたちの頭を打ったあと、9〜11コマ目で天井の一部が振り子のように回転し、ニモたちを前へ押し出します。

 

 押し出された先には外の景色が見えます。今度は90° 傾いていたりしないようですので、いよいよ「幻惑の間」もおしまいかな...と読者に期待させておいて、なんと次回、思わぬ展開が待ち受けています!