いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットとエールビール

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 1906年3月1日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 「いらっしゃい! 何にします?」「冷たいエールビールを大きいグラスでたのむ。のどがカラカラだ」「はいどうぞ。今日は暑いですね」という会話が、バーテンダーと客のあいだで交わされています。

 

 ところがバーテンが出したビールのグラスは、コマを追うごとにどんどん大きくなっていきます。バーテンいわく「そのビール、今日ずっと変なんですよ」だそうで、ふしぎと落ちつきはらっています。

 

 客はもちろん驚くんですが(What ails this ale?)、のどが渇いたのでどうにかして飲みたいと思い、椅子や梯子をつかってなんとかグラスの縁に口をつけようとがんばります。でもグラスが大きくなりつづけているので、飲むことができません。

 

 最後は消防士たちもやってくるのですが、「これ以上は上にいけません。あきらめてください」ということで、結局ムリでした。ビールはたくさんあるのに飲めないなんてかわいそうですね。夢から覚めた男はどうやらすぐに冷たい水が飲めそうでよかったです。