いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとオオカミとクマ

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 1908年3月22日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 ひとりになってしまったニモは、山道を歩いています。「さびしいところだなあ。どっちに行けばいいんだろう」。すぐうしろにオオカミがいますね。

 

 次のコマになるとオオカミがもう一匹あらわれ、その後もオオカミがどんどん増えていきます。ニモは「こんなにいっぱい...ぼくを食べようとしてるのかな」と怖がりますが、オオカミたちはニモを襲おうとせず、ニモを取り囲みながらいっしょに歩いていきます。かわいいですね!

 

 6コマ目、今度はクマが登場したかと思うと、こちらもたくさんいることが次のコマでわかります。逆にオオカミたちは、せっかく仲良くなったと思ったのにもうさよならです。ニモは「置いてかないで!」と、ひとりぼっちになるさびしさとクマの恐怖とで泣きそうになりますが、クマはやはりニモを襲おうとしません。「顔をなめないでよ」とニモが言ってますね...かわいいですね!

 

 クマの群れを引き連れたニモは、見晴らしのいいところにやってきました。そこから見えるのは、一面に広がるくすんだ色の街並みです。高い塔がいくつかありますが、どれも傾いています。ニモはこれからこの街に行ってみるようです。