いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットとあくび親子

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 1906年3月8日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。

 

 「そうさママ、局長が昨日言ってたんだけど、ぼくは社内でいちばん聡明なんだよ。考えるのが早いんだ」と、いけ好かない男が母親に自慢してます。「それを聞いたときは、その通りだってぼくも思った」。

 

 でも母親は、どういうわけか、あくびばかりしています。「ふああ...ごめんなさい」。退屈?

 

 3コマ目で、あくびが息子にもうつります。「頭の回転が早くないといけないのね」「そうなんだ。けっこう早くないと...ふああ、おっと失礼」。

 

 あとはいつもの「レアビット」の調子で、ふたりともあくびが止まらず、しかも口がどんどん大きくなっていきます。9コマ目とか不気味ですね。大きく開いた穴からなにか出てきそうな。

 

 あくびをうつされた息子は、「フェアに行けるようにしてくれたね」と言ってますが...フェアとは同年のミラノ万博のことでしょうか、それとも家畜の品評会とか? いずれにせよ何らかの見せ物になっちゃったということでしょう。これを楽しめるとは、当時の人々はけっこうな胆力の持ち主だったんだろうと思います。