いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

イエロー・キッドとドッグショー

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 1896年2月16日『ニューヨーク・ワールド』の「イエロー・キッド」です。

 

 見てすぐに、犬の騒々しさが伝わってきます。吠え立ててる犬がけっこういますね。柵の外にいる女性の耳をふさぐ仕草も、この場所のうるさいことを示しています。

 

 画面左上に「足かせ禁止」と張り紙がしてあるので、犬は綱でつながれています。ただ犬によっては綱が長くて、わりと自由に動いています。右側のほうで、柵の抜け穴から逃げる子供を追いかける犬がいて、自らの綱で別の子供を(イエロー・キッドならぬレッドキッドを)巻き込んでしまっています。

 

 ドッグショーに集まった犬たちはいろいろです。紹介文が書かれていて、「ホーガン横丁の長距離ランナー」や「優しいけど神経過敏なペット用小型犬」、「24時間じっとしてられるセッター」、それに「ミッキー・デュガンの猫殺しチャンピオン」とかいうのがいます。どんな犬でも参加していいんだな。ドッグショーって何なんだ。

 

 ところでその猫殺しは、いままさに猫に吠え立てています。すぐ上のオウムが「かかれ、タウザー!」とけしかけていますね。飼い主のミッキー・デュガン、つまりイエロー・キッドは、全然違う場所で、なんかよくわからない表情をしています。年上の子供たちの挨拶を不思議そうに見ているのでしょうか。