いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イエロー・キッドと結婚式

1895年11月10日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された「イエロー・キッド」です。 95年ですので、イエロー・キッドはまだ主役ではありません。ていうかどこにいるの?...と探してみると、花嫁の付添人の前に小さな子供がふたりいて、そのうち奥にいる…

レアビット2号とこれまでのマンガについて

またレアビットを食べました。おいしかったです。 前回と同様、バゲットにチーズ的なものを乗せて焼いたわけですが、チーズ的なものの中身が前回の1号とは微妙にちがいます。今回は、 ・チェダーチーズ ・牛乳 ・マスタード ・ウスターソース ・バター ・は…

レアビットとチャッピーとチェイシー

1904年12月22日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された、「レアビット狂の夢」です。 ふたりの男が、ひとりの女性をめぐって決闘をするという話です。最後のコマでベッドの女性が「チャッピーとチェイシーは決闘するつもりなのかしら...あ…

レアビットとつららのサンタ

1904年12月20日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 やはりクリスマスが主題ですが、のっけから「もうこの仕事疲れたよ...」です。サンタクロースが子供の前で絶対言っちゃダメなセリフですね。「リトル・ニモ」は大人も…

リトル・ニモとトナカイ

1905年12月24日『ニューヨーク・ヘラルド』の「リトル・ニモ」です。いまから110年前のクリスマス・イヴですね。 サンタクロースを待つ間の、子供の胸のドキドキは、しばしば絵本に描かれているように思います。サンタは夜中にこっそりやってくるもので、子…

リトル・ニモとサンタクロースの宮殿

1905年12月17日の『ニューヨーク・ヘラルド』に掲載された「リトル・ニモ」です。 掲載日がクリスマスまであと一週間ほどですので、クリスマスをネタとしたマンガですね。アイシクル(Icicle:つらら)という名の男が、ニモのお供をしています。眠りの国の王…

イエロー・キッドとゴルフ

1896年1月5日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された「イエロー・キッド」です。 イエロー・キッドが...いますね。画面手前を横切る通りに立っています。黄色い寝巻き、耳の大きな顔、こちらに向けられる視線。まぎれもなくイエロー・キッドです。(ア…

ケイシーでの乱闘

1895年12月22日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された、リチャード・アウトコールトのマンガです。 上のタイトルによると、この場面はアメフトのようですが、たしかにボールが転がっていたりゴールポストが描かれていたりするものの、やっている内容は…

レアビットと帽子の男

1904年12月17日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 男が「おいおいチェス、そんな帽子どこで買ったんだ?」とバカにしながらチェスに声をかけます。なんせ婦人用の帽子ですからね。ところがチェスは「おまえ...なんて時…

レアビットと地獄のチーズ

1904年12月2日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に載った「レアビット狂の夢」です。 死後の世界の話ですね。最初のコマで、男が「車にぶつかっちゃったな...天国にはどう行けばいいのやら」と言っています。それで次のコマで、天国への行き方を…

リトル・ニモとサンドマン

1905年12月10日『ニューヨーク・ヘラルド』の「リトル・ニモ」です。 最初のコマは、線遠近法が強力に効いています。以前(「イエロー・キッド」のときに)、絵の中のはしごを目が想像的に上り下りすると言いましたが、この遠近法のしかけもまた、視線の経路…

リトル・ニモと口の開いた月

1905年12月3日に『ニューヨーク・ヘラルド』紙に掲載された「リトル・ニモ」です。 またしてもこのコマ割り...。中央の五つのコマは、左上→右上→左下→中央(円)→右下、の順番に読みます。 ニモはどんどん月のほうに吸い寄せられ(月が吸ってる?)、わくわ…

レアビット1号といたずらフィガロについて

...えー、上の写真は、先週の日曜にわたしの妻が作りました、レアビットです。おいしかったです。 バゲットを切ったものに、チーズ的な何かをぬって、それをトーストしたものですね。チーズ的な何かとは、 ・チェダーチーズ ・エールビール ・マスタード ・…

イエロー・キッドとクリスマス

1895年12月15日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された「イエロー・キッド」です。 もうすぐクリスマスということで、ホーガン横丁もにぎわいを見せています。ベランダには「サンタさんへ:煙突がないのではしごを使ってください」と書かれたボードがあ…

イエロー・キッドとグロリアス・フォース

1895年7月7日『ニューヨーク・ワールド』紙の「イエロー・キッド」です。 「グロリアス・フォース」、輝かしき7月4日の独立記念日は、全米がお祝い気分の夏祭りであり、夏祭りといえば不良たちが暴れるに決まってます。上のマンガは「祭のあと」の状況ですね…

レアビットと頭突きの女

1904年12月15日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載の「レアビット狂の夢」です。 たしかに、読者はもうこのマンガが夢の話だとわかっているわけですが、1コマ目で女性とペットの犬が陸橋を優雅に歩くところを見せられては、さすがに笑ってし…

レアビットと毛生え薬

1904年10月14日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された「レアビット狂の夢」です。 男が毛生え薬を試してみると、ものすごい即効性のある薬で、どんどん髪が生えていきます。5コマ目で「水に薄めて使うの!?原液のまま使ってしまった...…

リトル・ニモと七面鳥

1905年11月26日『ニューヨーク・ヘラルド』の「リトル・ニモ」です。 真っ先に目がいくのは、中央の大きくて丸いコマだと思います。しかも、中に描かれているのが街を歩く巨大な七面鳥で、家を一軒くわえているという異常なものなので、私たちはこのコマに強…

リトル・ニモとマグーズラ

1905年11月5日の『ニューヨーク・ヘラルド』紙に掲載された、「リトル・ニモ」です。 水棲の怪物マグーズラ(Magoozla)が、ニモを眠りの国へと連れていこうとするエピソードです。Mag(大きい)、Goo(ねばねばしたもの、グーという音)、Ooze(粘液、泥)…

イエロー・キッドのはじめてのカラー

1895年5月5日『ニューヨーク・ワールド』紙の「ホーガン横丁」です。 作者リチャード・アウトコールトはそれまでも雑誌に「ホーガン横丁」を描いていて、それが『ワールド』紙に再録されたこともありましたが、上のマンガは「ホーガン横丁」がはじめてカラー…

イエロー・キッドの引っ越し

1896年10月18日の『ニューヨーク・ジャーナル』紙に掲載されたイエロー・キッド。 この二週間前まで、イエロー・キッドは『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載されていましたが、上のマンガから『ジャーナル』に移籍しました。イエロー・キッドの人気に目を付…

レアビットと交通渋滞

1904年10月26日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された「レアビット狂の夢」です。 ニューヨークのブロードウェイを横断しようとしている老人が、馬車にひかれて体を切断されていくという...。交通渋滞が社会問題として共有されていたん…

レアビットのはじまり

1904年9月10日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』紙に掲載された、「ウェルシュ・ラビット狂の夢」です。作者はウィンザー・マッケイ。 「ウェルシュ・ラビット」とは、エールとチーズを煮てパンにのせて焼いた、チーズトーストのことです。「レア…

リトル・ニモとマッシュルーム

1905年10月22日の『ニューヨーク・ヘラルド』紙に掲載された、連載2回目の「リトル・ニモ」です。眠りの国のプリンセスがなぜかニモに会いたがっていて、王さまは娘かわいさに、ニモを眠りの国へ連れてくるよう家来たちに命じるのですね。でもうまくいかない…

リトル・ニモのはじまり

1905年10月15日の『ニューヨーク・ヘラルド』紙に掲載された「眠りの国のリトル・ニモ」。連載の初回です。作者はウィンザー・マッケイ。 白い寝巻きの男の子がニモです。ニモは、ベッドのところで「なんか知らないおっさん来た」と怪しむんだけど、とりあえ…

イエロー・キッドと哀れなパツィー

「なあリズ、パツィーは死んだのか?」 「そうよ、ひどい死に様だったわ。かわいそうにあの子、死ぬ前の二日間は何も食べられなかったの。感謝祭までもう少しだったのに、ここで飢死にするしかなかったのよ。」 1895年11月24日の『ニューヨーク・ワールド』…

イエロー・キッドと野犬捕獲人

1896年9月20日の『ニューヨーク・ワールド』紙に掲載された漫画「イエロー・キッド」です。「イエロー・キッド」というタイトルは、手前にいてこっちを見ている黄色い少年の姿からとられたものです(正式なタイトルは、しいて言えば「ホーガン横丁」)。作者…