いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

イエロー・キッドと馬のいない馬車

1897年10月17日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 「イエロー・キッドが仲間たちを馬のいない馬車に乗せる」ということで、イエロー・キッドは走る車のうえに立ち、こっちをむいて笑っています。画面中央、やや左上ですね。 イエロ…

レアビットと酒と浮浪者

1905年8月12日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 浮浪者っぽいふたりが、1コマ目、画面左からあらわれました。前景には大きな樽が口を開けていて、木の板がふたつ、樽のうえに乗っています。そのうえには柄杓があります…

レアビットとクォ・ヴァディス

1905年8月9日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 まず男女のうしろ姿があります。帽子の影が頭部にかかっていて、強い日差しがあることをうかがわせます。キャンバスとイーゼルをもっているようですので、写生に来たので…

リトル・ニモとトボガン

1907年2月17日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 雪合戦の回廊をなんとか抜けて、一行は雪が積もる丘にやってきました。美しいそりが置いてあります。フリップは「お、これはトボガンだな、知ってるぜ」と、そりの種類の名を口…

リトル・ニモと雪合戦

1907年2月10日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 「階段がくずれたときには死んだかと思ったぜ」「ボクもだよ」と、フリップとニモの親しげな会話からスタートです。前回はフリップが氷の地面に足をすべらせ、巨漢の家来スリー…

イエロー・キッドとニューヨーク五番街

1897年10月10日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 「イエロー・キッドがニューヨークの街を視察する」。さすが、次のニューヨーク市長を目指すだけあって、はやくも政治的な活動を行っています。うしろには友だちを何人も引きつれて…

イエロー・キッドとクロンダイク・ゴールドラッシュ

1897年9月26日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 前回の新聞掲載が5月30日でしたので、およそ4ヶ月ぶりですね。この間、アウトコールトの「イエロー・キッド」は『ジャーナル』にまったく掲載されませんで、久々に出た! と思ったら…

レアビットと静けさを求めて

1905年8月5日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 1コマ目から穏やかじゃないです。「あなた、今夜も昨日みたいに夜遅く帰ってくるのかしら、わたしの暮らしはみじめなものね、あなたは気にしてないんでしょうけど」「お…

レアビットと現像液

1905年8月2日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 「このクローゼット、きれいに掃除しなきゃダメね。ひどい状態だわ。ああひどい...これなにかしら? トレーになにか乗ってる? なんなのかわからないわ」、という女性の…

リトル・ニモとすべりこみアウトのフリップ

1907年2月3日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 前回のつづきで、フリップはニモたちを脅しています。「暖房を入れるか、あったかい服をもってくるかだ、さもないと太陽を呼んでぜんぶ溶かしてやるからな」。氷の国で暖房を入れ…

リトル・ニモと満月と氷のドーム

1907年1月27日『ニューヨーク・ヘラルド』の「イエロー・キッド」です。 なんといっても、まんなかより下の、縦長のコマ三つ(4・5・6コマ目)に目を奪われますね。コマが三つありますが、背景がつながっているうえにコマとコマのあいだの空白が細いので、三…

イエロー・キッドと世界一周のおわり

1897年5月30日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 「イエロー・キッド・リターンズ」です。世界一周から帰ってきました。船を降りてくるイエロー・キッドたちが、やたら写実的なひとたちに出迎えられています。画面左下で、帽子をも…

イエロー・キッドと世紀の大記録(危険)

1897年5月23日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 「イエロー・キッドが世紀の大記録をつくる」というタイトルのコミック・ストリップです。4コママンガですね。4コママンガといっても、社会面のすみにのってる小さなものではなくて…

レアビットと群がるヘビ

1905年7月29日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 き、きもちわるい...。ヘビがうじゃうじゃといるのが見えますね。じっさいにこんなことになったら、と想像しただけで身の毛がよだちます。 物語は、白いスーツの男がヘ…

レアビットとエレクトロソポリス

1905年7月26日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 ふたりの男性がいすにすわって話をしています。「先生、うまく説明できんのですが、どうも変なんです」「不安なことがおありですかな。脈をはかってみましょう」とあり…

リトル・ニモと切ない魔女(No. 200)

「いたずらフィガロ」200番目の投稿は、1907年1月20日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 最初のコマ、中央よりわずかに右に、ニモとお姫さまがたっています。場所は建物の階段の中ほどですが、屋外で、残雪が各所に見られます。…

リトル・ニモと魔女とサイ

1907年1月13日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 フリップにさんざんいたずらを仕掛けてきた魔女でしたが、前回ついにフリップにばれてしまい、フリップと魔女がさっそく1コマ目で追いかけっこを展開しています。 コマの左のほ…

イエロー・キッドと火山の噴火

1897年5月16日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 火山の爆発なのですが、いったいどこの火山だろう、ヴェスヴィオ火山かな...と思いながら手がかりを探していると、上の活字文の最初に Veesoovious と書いてありました。ヴィスウウ…

イエロー・キッドとカイロ

1897年5月9日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 「カイロのイエロー・キッド」と題された一枚です。前回、イエロー・キッドはスフィンクスの前にひとりたたずんでいましたが、まだエジプトにいたんですね。 イエロー・キッドは画面…

レアビットと北極ホテル

1905年7月22日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 寒そうな場所ですね。ふたりの男が話をしています。「なにか反対意見がおありですか、ピアリーさん、わたしはひとりで北極に向かいますが。あなたや探検隊のみなさんに…

レアビットとモスキート

1905年7月19日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 蚊、ですね。巨大な蚊です。 マッケイで蚊といえば、やはり1912年のアニメーション「蚊はいかに行動するか(How a Mosquito Operates)」を思い浮かべますが(How a Mos…

リトル・ニモとメリーちゃんの羊

1907年1月6日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 さっそくですが、フリップの言葉から。「やあ! ちっちゃな1906年くんは寝かせてきたのか?(Did you put little 1906 away?) 見ろよ、あの子のためにもってきたものがあるぜ」…

リトル・ニモと1907年へ

1906年12月30日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。 前回はクリスマスの話でしたが、今回は年の瀬の話です。ニモとお姫さまは、とつぜん殺風景なところにやってきています。ニモが「ここはすごく寂しいところだね」と言うのに対し…

イエロー・キッドとスフィンクス

1897年5月2日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 いやー、なんなんでしょうねこれ。いつもの「イエロー・キッド」と雰囲気がぜんぜんちがう。登場人物がイエロー・キッドしかおらず、そのイエロー・キッドは、画面左下から、画面の大…

イエロー・キッドとカナル・グランデ

1897年4月18日『ニューヨーク・ジャーナル』の「イエロー・キッド」です。 キャプションは「カナル・グランデに浮かぶイエロー・キッド」。カナル・グランデとはイタリア・ヴェネツィアの街中を走る大運河で(Grand Canal (Venice) - Wikipedia, the free en…

レアビットと(わきぜりふ)

1905年7月15日『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』の「レアビット狂の夢」です。 前回にひきつづき今回も「小さな男と大きな女」の主題ですが、今回はけっこう体格差がありますね。コマを追うにつれて、女性のからだの大きさが徐々に明らかになってい…