読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

レアビットとブルックリン

f:id:miurak38:20151214000644p:plain

 1905年1月10日の『ニューヨーク・イブニング・テレグラム』に載った「レアビット狂の夢」です。

 

 夫婦になにか問題が生じているようですね。台詞を読んでみるとどうやら、引っ越しをしなければならないが新居が見つからない、ということみたいです。「もうどうすればいいの、いいお家が見つからないわ、ニューヨーク中を探しまわったのに」「元気を出すんだペティ、明日また頑張ろう、すぐにいい場所が見つかるさ」、といった具合です。

 

 翌日も探して、でもなかなか見つからずにいると、夫が「ハーレムとかブロンクスとかはどうだい」と、ニューヨーク市北部のエリアを考慮するよう妻に言います。でも、やっぱりダメで、夫婦はいよいよ、どこでもいいから早く見つけなければと焦ります。

 

 で、その翌日、妻が「怒らないで聞いてちょうだい、もうブルックリンしかないわ」と言うと、夫は「おいおい勘弁してくれよ、困ったな」となります。ブルックリン橋を渡るときも「元気出して、あなた」という感じで、引っ越し先には絶望しかないみたいな言い草です。

 

 いざ住んでみると、住めば都というわけで、「ほんと、よかったわ」「満足だ」とブルックリンでの充実した生活を送っているようです。でも、夢から覚めた男は「最悪だ、ブルックリンに住む夢だった」と言っています。

 

 ブルックリンの住人は、これ怒っていいんじゃないですかね(笑)なんでそんなにブルックリンが嫌なんだろう。7コマ目で夫が読んでる新聞には「電車内で凍死:乗客65人が橋の上」と書かれているので、ブルックリンはすごく寒いところなのでしょうか。

 

 ただ、指摘しておくべきは、じつはマッケイ自身がブルックリンの住人だったんですね。だからこのブルックリンの話は、ブルックリンが好きだからこそ毒づいているのかもしれません(ただの自虐ネタかもしれませんが)。