いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモと七面鳥

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 1905年11月26日『ニューヨーク・ヘラルド』の「リトル・ニモ」です。

 

 真っ先に目がいくのは、中央の大きくて丸いコマだと思います。しかも、中に描かれているのが街を歩く巨大な七面鳥で、家を一軒くわえているという異常なものなので、私たちはこのコマに強く引き寄せられます。そのあとで、最初のコマに戻り、コマを順番に追っていこうとするのではないでしょうか。

 

 再び丸いコマのあたりにくると、丸いコマの両脇にある四つのコマを含む、中央部分の五つのコマを、どの順番で読んでいけばいいか、一瞬迷います。コマの下に番号が書かれてはいるけれど、私たちがふだん読んでいる現在のマンガは、もはやコマの下の番号などなく、番号がなくとも読み進められる習慣を手に入れていますので、ずっと昔のマンガの、番号を使った読み進めに慣れていない。「リトル・ニモ」などを読んでいくとき、わたしはこの点にちょっとストレスを感じてしまいます。

 

 七面鳥が登場するのは、このマンガの掲載日が感謝祭に近いからですね。ニモが落下する真っ赤な水はクランベリーソースの湖で、そのあとニモはセロリの森を歩いていきます。セロリをクランベリーソースにつけて食べるとおいしいの?