いたずらフィガロ

むかしのアメリカのマンガについて。

リトル・ニモとイースター・バニー

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 1908年4月12日『ニューヨーク・ヘラルド』の「眠りの国のリトル・ニモ」です。

 

 前回につづいて、ニモは貧民街の景観美化をやっています。今回は刑務所ですね。1コマ目では右端に見えています。

 

 刑務所の周囲には巨石がごろごろ置いてあるのですが、ニモはこの巨石をイースター・エッグに変えてみせます。色のきれいな、大小さまざまの卵になりました。

 

 ついでに刑務所はお菓子屋さんになっています。看板が「JAIL」から「CANDIES」になり、また入り口のガラスに「甘いお菓子 confections」と書かれています。

 

 ニモの見せ物はまだ終わりません。ニモは今度は、イースター・エッグを割って、なかからウサギを出してみせます。イースター・エッグを持ってくるイースター・バニー(Easter Bunny - Wikipedia)ですね。

 

 このとき、いつの間にかお菓子屋さんも消えているのですが、次のコマで教会が出現します。あたりはユリの花で囲まれていて、純潔マリアの象徴ですね。

 

 ニモはこのコマでこう言っています、「みんな、教会に行こう! そのあとで君の病気のお姉ちゃんに会いに行くことにするよ」。

 

 前の記事で言うのを忘れてたんですが、じつは前回のエピソードのなかで、ニモの奇蹟を目の当たりにしたひとりの子どもが「病気のお姉ちゃんもここにいたらよかったのに」と言ってるんですね。ニモはそのことを覚えていたわけです。

 

 たぶん、ニモにいちばん近いところに立っている、背の低い子どもに話しかけているんだと思います。どんなお姉ちゃんなんでしょう。